休日デートだったその日、樹先輩は家まで送って帰ってくれた。



これは休日デートでも放課後デートでも変わらない、私たちの日課みいなものだ。



家の前まで来ると必ず立ち止まり、そしてお互いなんとなく無言になる。



最初はこの沈黙が重苦しいなって感じていたけれど、最近では心地よい『待つ』時間になっていた。



お互いに見つめあい、少しずつ距離を狭めていく。



片手はギュッと握り合ったままで、まるで吸い寄せられるようにキスをするのだ。