アンダーにくっきりついた赤い跡は、まだ消えない。 ナナミは何も言わず、はじかれたように教室を出て行った。 バタバタと足音を響かせて、私から遠ざかっていく。 でも……。 私はその後ろ姿を見送ることさえ、しなかった。