「あー、雨・・・」
梅雨入りして、雨が多くなった。
部活も遅く終わり、暗くなりはじめた頃だ。
今日は先輩と部活でうまく喋れなかったな。
いつもと同じ先輩。
私が真実を知ってることなんて、わかってないんだろうな・・・
傘を取り出し、歩きはじめた。
「あっ、満月」
空には丸い、真っ白な月が輝いてたから。
そう言えば、先輩と月見たな・・・三日月を。
三日月の夜にはじめて食事したんだっけ。
って私何でこんなこと思いだしてんのー・・・

知らない道にいた。

・・・ここどこ?

暗くてよく見えない。
家が近くに一つもない。
下を見ると、月明かりがどんどん消える。
空を見上げると、月は雲に完全に隠れた。

全く何も見えない。

何で、何で?

光がどうして一つもないの?
真っ暗で何も見えないよ・・・

雨の音で何も聞こえない。

「い・・・やぁぁ!」

私は叫んだ・・・

「誰かっ・・・だれか助けてっ!」

私はどんどん走って行く。
どんどん真っ暗の道の中を進んでいく。

どこ?

・・・その時。


左の角に、
明かりが一つ。
小さなお店。