…春、だった。
世界は桃色のはず、だった。
でもあたしには…
白黒にしか、見えなかった。
霞んだ醜い現実じみた世界しか
あたしには、見えなかった。
夢に、背を、向けていた。
…あたしに、季節はなかった。