放課後、私は予備校に向かおうと用意をしていた。


潤とノノちゃんは先に行くからと言って教室を出ていて


廊下側の前の方に数人クラスメートがいるぐらいで、ガランとしていた。



「佐藤さん」


「はい?」



声を掛けられたんで、顔を上げて声のした方を見ると



「あっ、始業式でハンカチ拾ってくれた」



・・・名前知らないんだけど・・・どうしよう。



『拾ってくれた』で止まってしまった私に



「私、宮本 茜って言うの」



え!潤の彼女?



目の前に居る、眼鏡を掛けた小柄な女の子を唖然として見ていた。



確かに・・・彼女には悪いんだけど、潤とはあまりにま逆で正直びっくりしていた。



弥生の言う通り、声を掛けられないと存在すら薄そうな(失礼)感じだし


髪も2つに縛って、見た目から優等生っぽい。


弥生も優等生だけど、またタイプが違って。


言い方が少し悪いんだけど・・・ガリ勉って感じがしっくりする。



「私、佐藤さんに少しお話があるんだけど」


「これから予備校なんだ、あ〜っと15分ぐらいなら大丈夫だけど?」