だけど意外と力強い弥生によって、トイレへと強制連行された。



あれれ?



もうすぐ予鈴がなるせいか、誰もいないトイレへと2人で入ると



「ちょっと潤君の前では話しにくくって」



弥生は少しだけ周りを窺うように小声で言った。



「え?何?」



潤には聞かれたくない話?



弥生の言いたい事は分からないけど、かなり内容が気になって。



私は「今から話す事は内緒だよ?」と言われた事に無言で頷いた。



「潤君の彼女って真琴は知ってる?」


「あ〜潤に彼女が居るってのは知ってるんだけど誰かは知らないな」



同じ学校なのか他校の子なのかも知らないわ、そういえば。



「F組の宮本 茜<ミヤモト アカネ>っていうんだけど・・・」



弥生の顔を見て不思議に思った。


なんだかすごく話しづらそうな感じだったから。



「その宮本さんがどうしたの?」


「実はね・・・あんまり人を悪くは言いたくないんだけど」



前置きをしてから弥生は話し始めた。



弥生は1年の時、宮本さんと同じクラスだったらしい。