ノノちゃんはきっと苦笑してるんだろう。


困ったような声で



「ごめんね。ホントに好きな子がいてるから。君じゃ無理なんだ」



きっぱりと断っていて、女の子はその子は誰かと聞いていて。



「初対面の君には言えないな」



サラリと毒舌を吐いてから、それじゃあと動き出す気配に私は慌ててその場を離れようとすると


ガチャリと真横の扉が開いて、声を上げる間もなく空き教室に引っ張られていた。



誰?と声を上げる事も出来ず口を塞がれていて。


ジタバタと力いっぱいもがいていると



「もうちょい待てって」



小さな声だけど聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。


体の力を抜いた瞬間、扉の前をノノちゃんが通ったようで足音が少しずつ遠ざかる。


ほとんど聞こえなくなったところで口を塞いでいた手が離された。



「ほえ〜」



体に力が入らず座りこんだ私の視界には見覚えのあるスニーカーがあって



「どういうつもりよ!潤!」



私の後ろに立っている潤を思いっきり睨んだ。


「立ち聞きして〜真琴って悪い子だ」


「あっ!」