「私、夏期講習で一目惚して」


光君が好きなんです、付き合って下さいと女の子は頭を下げていて。



うおっ!告白現場ですか!



さすがにこれはまずいと思った私はトイレへ引き返そうとした時



「ごめん。名前で呼ぶの止めてくれないかな?」



あと、好きな子が居るから付き合えないんだとノノちゃんは答えた。



うわ〜まずい!まずい!・・・でも好きな子?



心では思いながらも足は動かず・・・


石のように固まっている私に気付かず、会話は進んでいく。



「あっ馴れ馴れしくてごめんなさい。皆が光君って呼んでるからつい」


「俺、名前で呼ばれるの好きじゃないんだ」


「そうなの?ごめんね、全然知らなくて」


「友達も名前で呼んでるんだったら止めてもらうように言ってもらえないかな?君にこんなことお願いするのもおかしいんだけど」



きっと爽やかスマイルで言ってるんだろうけど


ノノちゃん、さりげにそのセリフはきつくないか?


女の子はスマイルにやられたんだろうな。


分かったごめんねと謝っていて



「やっぱり・・・私とは付き合ってもらえないのかな?」



彼女は・・・強かった。