でも、春香が叶わないって諦める必要なんてないじゃん。


ちゃんと伝わるか分かんないけど、私の言った言葉に春香はまた俯いて。



「やっぱり真琴ってすごいね」



顔を上げた春香は泣き笑いの顔になっていた。



「え?ごめん!変な何か言った?」



焦った私は支離滅裂で。


春香は首を横に振ってからそっと涙を拭った。



「もっと早く・・・真琴に打ち明けたら良かったと思って」


「はえっ?」



びっくりした私は変な声を出していて。



「そうだよね。自分で勝手に考えて結論出して。まだ何にもしてないのにね」


「そうだよ。この夏期講習で少しはノノちゃんとの距離が縮まったじゃん。ノノちゃんだって春香の事嫌だったらあんなフレンドリーじゃないと思うし」


「そうだよね。光君って呼べるようになったのは大きな進歩だもんね」



笑った春香の顔はまさしく恋する乙女で。



「恋愛初心者の私には協力できるか分かんないけど。だけど話はいつでも聞くから」



自分の気持ちには正直になろうよと言った私に春香はうんと頷いた。



なんだかノノちゃんのおかげで春香との距離が前より縮まった気がした私は本当に嬉しかったんだ。