私は、開いていたテキストを鞄に入れて他の人達に気付かれないように自習室を後にした。



「ごめんね。待たせちゃって」


「全然!私が誘ったんだし」


「あ〜疲れたよ」


「お疲れ」



あれが分からないとか、ここまで授業が進んだとか話をしながら


駅前にある喫茶店に入って腰を落ち着ける。



キャラメル・ラテとクリームコーヒーを頼んだ私達は店員さんが置いていったお手拭きで手を拭いていて。

「おまたせしました」と飲み物を持ってきてもらっても世間話をしていた。



どうやって話を切り出そうかなぁ〜



考えながら相槌を打っていたのが春香にばれたみたいで



「真琴、何か話でもあるの?」



おっと!切り出しやすいじゃないですか!


テーブルの下で拳を握りしめた私は、コーヒーを一口飲んでから思いきって春香に質問してみた。



「あのさ、春香と今まで恋バナしたことなかったじゃん?


だけど・・・それってやっぱり私じゃ約不足だからかな?」


「あ・・・約不足とかそんなんじゃないよ」



否定はしてくれるけど、春香の顔はなぜか強張っていて。