私はしっかりと春香の言葉に甘えて避難している。



「真琴、お昼どうする?」



夏期講習は午前・午後と半日の時もあれば夕方までの時もあって


今日は夕方までの長時間コースだった。



「何も持ってきてないから買いに行こうって思ってるけど」


「じゃあ私もジュース買いに行こうかな」



近くにあるコンビニに向かうため、鞄を持って春香と教室を出ると



「あ〜いた!」



聞き覚えのある声に肩をビクリと竦めた。



「真琴、逃げんなよ!」



正面には・・・


潤とノノちゃんがいた。



だから・・・あんた達、目立つんだって。



ノノちゃんはイケメンだってことは周知の事実なんだけど、潤も単体で見ると、どうやらイケメンの部類に入るみたいで。


少し茶色のサラサラした髪は、テニスで日焼けしたのもあるのか自然で、少しきつそうな目も笑うと柔らかい印象になる。


だから、潤とノノちゃんは『イケメンコンビ』と言われていて。



夏期講習3日目でノノちゃんだけじゃなく潤にもファンがいることに気付いた私は


自分からは話しかけないように気を付けてたんだ。