放課後、鞄を持って教室を出ようとすると



「真琴〜頼んだからな」



振り返るとノノちゃんや他のクラスメートと喋っていた潤から声を掛けられて



「頼んだ?何だっけ?」


「お前なぁ・・・昨日頼んだだろ!予備校の申込書」


「おっ」



・・・すっかり忘れてた・・・



「あはは、大丈夫!ちゃんと覚えてるって」


「・・・怪しい。絶対に忘れてた」


「いや、覚えてるって!」



言い切ったけど、背中には冷たい汗が流れていて。


これ以上話してるとボロが出ると思ったから、「じゃあね」と言うと早足で教室を出た。



「真琴」



ちょうどC組の前で春香に声を掛けられて。



「お〜久しぶり。隣のクラスなのに会わないね〜」



同じ予備校に通っているものの、お互いクラスに友達がいてるから一緒に行動することがなくなっていた。


予備校では春香は理系だからクラスも違うし、授業も違って。



「春香は今から予備校?」


「そう。今から向かおうかと思ってて。一緒に行かない?」