たぶん、初対面の私には言いづらいのか、少し考えるように口に人差し指を当てた後



「やっぱり合わないなと思ってたの」



言い切った井上さんはなぜかしらホッとした顔をしていて



「もしかして我慢してたの?」


「ん〜我慢してたのかなぁ?よく分からないんだけど。でもあんまり・・・居心地は良くなかったかな」



井上さんって・・・結構ストレートに言うんだ。



そんなことを思いつつ、差し出がましい事を言っていた。



「よかったら一緒にご飯食べない?」


「え?」



今度はホントに驚いた顔をして目を見開く井上さんにプッと吹き出しちゃったのだ。



「もちろん居心地悪かったら、言ってくれたらいいし!」



両手を振りながら取り繕うに言い訳すると



「佐藤さんと一緒に居てもいいの?」



嬉しそうに言ってくれたから、私も思わず「うん!」と勢いよく首を縦に振っていたんだ。


「じゃあお言葉に甘えてもいいかな?」と言われて、またまた大きく首を振ったら・・・



「やっぱり佐藤さんってすごいね」



そう言って、柔らかく微笑んでくれたんだ、井上さん。