菜々美と2人で促すように真美子を見ると



「最近、ノノちゃんのファンクラブって見かけないじゃん?」


「あ〜そういえば」


「見かけないねぇ」



ノノちゃんとは野々宮君の事で、私達の間でのあだ名として定着し始めていた。


確かに、始業式からしばらく廊下にへばり付いていた追っかけを見ないなぁ。



菜々美と首を傾げていると



「なんかさ、本宮さんがノノちゃんに迷惑だって言ったみたいだよ」



「「うえっ?」」



菜々美は危うくジュースを吹き出しそうになっていた。



「まぁ、これも中庭でね」



真美子は私達にお返しとばかり、気になる言葉を残してお弁当を鞄にしまうため、自分の席に戻っていき


菜々美と目を見合わせると、早く中庭に行けるように机の上をいそいそと片付けた。





中庭には下級生達がバレーやバトミントンに勤しんでいる。



受験生もたまには息抜きが必要だよな。


って、まだ息抜きするほど勉強してないんだけどさ。