「なぁ真琴」



潤は私を離すとなぜか両腕を掴まえていて。



「お守り、ありがとな」



そう言うと片手を離して学生服のポケットからあの赤いお守りを出して私の目の前に翳した。



「これ見て何でお前を思い出したのか不思議だったんだけど、今日理由が分かったんだ」



フワッと笑った潤に私は首を傾げた。





そういえば何で私からだって分かったんだろう?



「卒業式前にさ、皆に合格報告してただろ?あの時お前、自分のお守りを皆の前に出して見せたじゃん」



あの、浪人しなくてよかったっていう話の時だ。



「あの束の中に、これの色違いのお守りがあったの見つけて、俺心臓が止まるんじゃないかってぐらいびっくりした」



「あっ!」



あの束の中に潤だと思って大切にしてたお揃いのお守りを一緒にしてたんだった・・・



「俺さ、何かこのお守りにすげぇ助けてもらったの。だからくれた子にちゃんとお礼が言いたいって思ってたんだけど」



お前だったんだなと言う潤の顔に私はただ見惚れていて。



「ありがとな」



潤の笑顔に私は頷くしかできなくて。