「や・・・やったぁ!!」



電話を持ったまま叫んだ私は春香と手を取り合ってその場でぴょんぴょんと跳び上がった。



『真琴〜今日は何時に帰ってくるのぉ?』



母が何度も電話口で問いかけている言葉が聞こえていなかった。





ごめん・・・お母さん。





「まだ学校から出てないし、原っちに報告してきたら?」



春香の一言に我に返った私はうんと頷くと教科担当室へ駆けだそうとし、そう言えばと春香を振り返る。



春香はニッコリ笑って、そこらへんで時間つぶしてるから話が終わったら連絡頂戴と言って手を振っていて。


私は後で電話するねと言って走りだそうとした。



「そういえばさっきメールがあって、教室にいるからだって」



そっか、卒業式が終わって教科担当室にいるかどうか分からないもんね。



ありがとうとお礼を言って私は教室へ向かった。





何で春香が原っちの居場所をメールで知ったのか?



どうして私の後ろを見送る春香の笑顔がニヤリとした笑みに変わっていて



小声で何か言ってた事なんて私は全く気付かずにいたんだ。