「はいはい!皆最後のHR始めるぞ」



目を真っ赤にした原っちが教室に戻ってくると、全員が慌てて席に戻る。



「ホントにいろいろあった1年だったけど、俺は皆の担任でよかったと思う」



原っちが私達3年B組全員に最後の送る言葉を述べていて。



皆、それぞれが1年を思い返していたのか、すすり泣く声があちこちで聞こえ始めた。



もちろん、私もその1人で。



「皆!卒業おめでとう!」



原っちの締めくくりの言葉に全員で立ち上がって拍手をした後



私は涙を拭ってからツカツカと原っちのいる教卓の前へ歩きだした。


後には弥生と菜々美が着いてきていて。


菜々美は教卓の前を横切ると廊下へ出て行った。



「原っち、1年間お世話になりました」



私の声の後、全員が「ありがとうございました」と頭を下げて。



原っちは堪えていた涙がポロリと零れて。



「これは私達全員から原っちへ」



そう言って、写真撮影の間に皆で作成した寄せ書きの色紙を2枚、私と弥生が手渡した。



「あとこれもね」



教室へ戻ってきた菜々美の手には大きな花束があって。