机の上にはバレンタインのチョコレートが2個乗っていて。


メッセージカードまで付いているものもある。



「やっぱりモテるんだよね」



私みたいに仲良くなって好きになる子もいれば、遠くから潤を見て好きになる子だっているんだ。



席を立って、潤の机の中を見てみると、そこにはやっぱりチョコレートが3個入っていて。



私みたいに自由登校でこっそり入れたのか、もしくは後輩が休み時間に入れに来たのか。


潤がいつ来るか分からないのに、気持ちを伝えたくてこうして頑張っているんだよね、皆。



私はポケットから皆とお揃いのお守りの束を取り出し、赤色の有名神社のお守りを1個外すと


ラッピングのリボンに差し込みそっと机の中に忍ばせた。



私のお守りは潤の机に入れておくことで何だか願いが叶うような気がして。



そして潤に渡そうと思ったお守りは私が潤の代わりに願掛けしようと考えたんだ。



「なんだか逆なんだけどね」



よし!今日の任務完了!後は家に帰って最後にもう一度英語の単語帳を眺めながら明日に備えるぞと



気合を入れ直して教室を後にした。