本命入試前日・・・私、佐藤真琴は学校に来ております、ハイ。



結局手立てがなく、どうしようかと考えたんだけど、よく考えれば卒業式にはこの教室に潤は来るわけで。



その頃にチョコが机の中に入っていたとしてもきっと誰からか分からないはずで。



とにかく、渡すことで自己満足の自己完結したかった私はイソイソと学校へ足を向けていたのだ。



自由登校だから、教室に鍵はかかっていなかった。



今日は結構他の大学の受験日が重なっていたせいか、クラスには誰もいなくて


グランドでは1年生だろう、紺色のジャージをきた子達が授業でサッカーをやっていた。



私は自分の席に座ると黒板を見てホッと溜め息を付く。



つい1か月前まではこの席で授業を受けてたのに、それはすごく過去の事のようで。



潤やノノちゃん、菜々美や真美子や弥生とこの教室でバカみたいに騒げるのもあとは卒業式だけで。



少しジンとした私は、浮かんできた涙を指で拭うと今日の目的を果たすため後ろを向いた。



そこはもちろん潤の席で・・・って。