「で、話を戻すんだけど」



食事を終えて食後のケーキを食べていると春香は強引に食事前の話へ戻した。



助けて欲しくてノノちゃんを見たんだけど、ノノちゃんは素知らぬ顔でイメージに合わないチョコレートケーキを食べていて。



「拓也の話で腑に落ちないところがあってね」



ギクッ!



春香大王様・・・



それ以上私の・・・古傷に触れないで欲しい。



・・・という願いも空しく



「何でそんなにパニックになったの?」



時代劇で刀をズバッと振り下ろされたような、真っ直ぐな問いかけだった。





確かに何かをされた訳じゃない。



肩を持たれて胸に押しつけられただけなんだけど。



黙って俯いている私に春香は



「ねぇ真琴。私達ってあんまり恋バナってしたことなかったじゃん。私が光の事聞かれたくなくて避けてたのが原因なんだけど。


だけど、こうして光と付き合えるようになったのって真琴と潤のおかげだし、私も何か出来る事があればって思ってたの」



優しい声で話してくれる。



その声に春香の真剣な想いが詰まっている事も分かる。