ステーキを綺麗に切りながらも、顔は私の方を向いてくれていて目が穏やかだけど真剣で



なぜか誰にも言えなかった理由を潤の前で口にした。



「心理学なの。昔、嫌な事があってトラウマみたいになってるのね。


で、自分のトラウマをどうやったら克服できるかを勉強してみたいと思って」



そう、男の人を受け入れられない自分にちゃんと向き合おうって思っていて。



あと、どうしてもネガティブになってしまう自分の性格を心理学的に知ることによって、少しでも自分を好きになりたいと思っていたんだ。



ただ、この考えで心理学を専攻していいものなのかはまだ分からないんだけど、なにか取っ掛かりになればいいと考えていて。



「トラウマ?」


「あ〜っと、まぁ、人生まだ短いけど、それなりにいろいろあったんだよ!」



潤ならもしかして、私の抱えている傷に気付くんじゃないかと思って、誤魔化そうとしたんだけど



「それは、俺にも言えない事?」


「言えないっていうか・・・」


「何?親友でも言えない事?」


「し、親友?」