朝10時から17時まではびっしりと時間割が埋まっている。



「特に予定はないよ。帰って赤本開くぐらいかな」


「じゃあさ、今日のお詫びに少しだけ付き合えよ」


「あ〜うん。分かった」



志望校の事で心配させたもんね。


もしかして晩御飯たかられるのかな?なんて考えつつ



でも、潤からもらった言葉はすごく嬉しかったんで笑顔で頷いた。



書店を出ると、12月とあって外は真っ暗で、私は鞄からマフラーを取り出すと首に巻いた。



「ちょっと待て」



潤がマフラーを引っ張るから首がしまってグエッ!と声が出たけど、すぐに解かれ器用に巻き直してくれる。


ちょっとお洒落な感じに仕上げてくれて、最後に下ろした髪をマフラーの中から掻き上げるように引き出してくれた潤は



「よし、これで女子高生に見えるな」



そう言って笑ってくれたんだけど


その笑顔に、私はなぜかドキドキしていて顔が熱くなっていくような感じにびっくりした。


な・・・なんなんだ!私、なんか不整脈っぽい!



「じゃ、じゃあ明日から予備校頑張ろうね!」



そう言って手を振って駅まで走った。