合同祭も終わり、受験生オーラ丸出しの3年生は、無事に終業式を迎えていた。


通知簿を誰にも見られないように少しだけ開いて、顔を間に突っ込んで見ている私。



赤点はもちろんなかったものの、評価と成績が少しだけ上がっていて


これは弥生と予備校のおかげだと前の席に座っている弥生の背中に手を合わせる。



「どうだった?」


「ひえっ!」


「プッ!変な声」


「な・・・何よ!急に喋りかけてくるから!」


「あのなぁ。じゃあ声掛ける前に『今から声掛けますよ』って言うのかよ?」



言わないけどさ。



だけど、今話しかけられるなんて思ってないし。



ブウッと頬を膨らませると、潤は弥生を呼んで



「お前、真琴が手を合わせて『いただきます』してたぞ」


「え?真琴どうしたの?美味しくないよ?」



潤!チクるな!



ってか、違うし!



弥生もまともに返してこないでよ!



他愛もない話をしてると、本鈴が鳴って担任の原っちが入ってくると、冬休みの注意事項や受験生の心構えを話していて。


先生の話をBGMにして、ボーっと窓の外を見ていた。