春香とノノちゃんは両想いで、潤と一緒にくっつけようとしたから、今日まで密かに走り回っていたわけで。



「どうしたらいいんだ?」



潤から罰だと言われ、リレーで使ったバトンやたすきの入ったカゴを倉庫へ返しに向かっていた。



「何を?」


「何をってそれが分かったら苦労しないって」


「じゃあ話してみ?」


「話すって・・・って、うおっ!!」



てっきり心の問いかけだと思っていたのに実は会話が成立していたようで・・・


私、もっと早く気付けよ!

心の中で自分自身を突っ込んでいた。



「・・・ノノちゃん」



そう、私は独り言のつもりが、知らない間にノノちゃんと会話をしていたようで。


だけど、さすがにノノちゃんに言えるような内容ではないな。



「へへ。気持ちだけ受け取っとくわ」




よいしょ!とカゴを抱え直すと倉庫へ再び歩きだそうとして



「貸して」



言葉と同時に私の両手に重さがなくなった。



横でノノちゃんがさっきまで抱えていたカゴを持ってくれていた。