「おっさん」 パソコン画面に視線を向けたまま、ネコが言った。 「なんだ?」 「戸部奈々子は携帯電話を持っってたのか?」 「携帯電話……」 冬我は呟き、視線を空中へと泳がせる。 10年も前となると携帯電話が普及を始めたか、それよりも前のことだ。