「このままじゃ帰れないわ」 「服は今洗濯してるから、終ったら乾燥機にかけるよ」 「何もかもやってもらっちゃって、ごめんなさい」 「いいよ。一人暮らしだから家事は慣れてる」 そう言うと、栗田は沙耶香の髪を撫でた。 ドライヤーで乾かしたけど、まだ少し濡れている。 それなのに、なんだかすごく熱く感じて、沙耶香はつい、栗田の手を払いのけてしまった。