真っ白な頭の中で、できる限りの記憶を呼び覚ます。 ルカに部屋まで通されたこと。 ルカは、やけに人の体をベタベタを触り周り、媚薬をかがされたように体中が――。 そこまで思い出すと同時に、藤堂は強く頭を振った。 逃げなければ! 咄嗟にそう思うが、まだ微かに頭の中がフワフワと浮いているような感覚で、うまく立つことが出来ない。