脱衣所には、栗田がストーブをつけていてくれて暖かい。 細かなところまで気が付く優しさは、ありがたかった。 服まで汚れていたので、栗田が出してくれている男物のシャツに袖を通す。 大きくてダボッとしたシャツは、栗田の香りが染み付いていた。 まるでワンピースを着ているような格好で出るのは恥ずかしかったが、服がないのだから仕方がない。 「やぁ、似合うね」 照れた様子で脱衣所から出ると、栗田がそう言って笑った。