新田にそう言われて、幸也は軽く唇をすぼめた。
将来、父親と同じ警部を目指している手前、証言者の情報を聞き流す事など元からできない。
「可能性を見逃すと、また失敗するぞ」
その言葉に、幸也の表情が変わった。
遺体を見ても眉をピクリと動かしただけだったのに、今度は眉間にシワを寄せ、口はへの字に曲がっている。
「専門学校の潜入捜査、失敗したらしいな」
楽しそうに言う父親に、幸也は更に表情を苦痛にゆがめた。
「わ~ったよ! 手伝ったらいいんだろっ!」
吐き捨てるようにそう言い、幸也は父親と同じようにガシガシと頭をかいたのだった――。



