「本当だ、本当なんだよ!」
必死に説明を続けていた発見者が、幸也の肩をわしづかみにして訴えた。
「誰も嘘だなんて言ってないでしょう。
あなたの話はわかりましたから」
『わかりました』と言いながらも、突き放すような冷たい口調に、男はグッと唇を噛み締めて押し黙ってしまった。
「どう思う?」
隣で一緒に話を聞いていた新田が、口を開いた。
「どうもこうも。
これは俺が担当する分野の話じゃない」
「そんな事わかってる。
だけどな、警察はこんな馬鹿げた証言に付き合ってられないんだよ。
幸也、お前はまだ警察の人間じゃない。
身に染みてわかってるはずだろ?
どんな小さな可能性でも見逃せない、捜査の大切さを」



