19の夏~私の愛した殺人鬼~

☆☆☆


「幽霊の携帯電話ねぇ……」


 発見者の男から一通り話を聞き終えた幸也は、右手の人差し指をこめかみに押し当てて、つぶやいた。


 夜、家へと帰る道を歩いているとピンクの携帯電話が目に入った。


なんでこんな場所に?


 そう思い手を伸ばした瞬間、携帯電話はフワリと浮き上がったそうだ。

 そして、携帯電話はゆらゆらとした残光を残しながら、ゆっくりと山へと向かって行った。

 発見者は、それに導かれるようにしてここまで来たというのだ。