けれど、俺は病院へは行かなかった。 無我夢中で走り回って走り回って……。 気が付くと、辺りは真暗になっていた。 車のデジタル時計を見ると、夜中の2時が過ぎたときだった。 家に帰って、奈々子の遺体を見つけてから7時間以上が経過してたんだ。 がむしゃらに走り回ったおかげで、周りは見たことのない建物ばかり。 道路標識を見ても、聞いたことのない地名がズラリと並んで、俺はしばらくの間車の中で放心状態に陥ったよ。 これからどうすりゃぁいい?