時計の針が6時を指し、玄関のチャイムが鳴る。


『絶対に、ちゃんと相手を確認してから鍵を開けろ』


 そう冬我に念を押されていた奈々子。


 しかし、自分の誕生日で舞い上がっていた奈々子は、それをすっかり忘れていた。


 冬我が帰ってきた!


 そう思った奈々子は、何の疑いもなく扉を開けて……。


 目の前の見知らぬ男に言葉を失った。