19の夏~私の愛した殺人鬼~

「で、今回の事件で俺を呼んだ理由は?」


 2人の後ろから、藤堂のようにヒョロリと背が高く、けれど新田のように体つきもたくましい若い男がやってきた。


「おぉ、幸也来たか」


 その姿を見るやいなや、新田は口元だけに笑みを見せて遺体のそばから立ち上がった。

 見慣れない顔の青年に藤堂は眉を寄せて、不審そうな視線を送る。

 そんな視線に気付いたのか、青年は細い釣り目を藤堂へ向けた。


「ども。新田幸也(ニッタ ユキヤ)、19です」


 青年は無愛想に一言そう言い、軽く頭を下げた。