19の夏~私の愛した殺人鬼~

「嘘……昌代ちゃんが、死んだの!?」

 その言葉に、紗耶香が小さな悲鳴を上げた。

 昌代と紗耶香はイトコ同士である。

 最近ではあまり会うこともなくなっていたが、高校を出るまでは、まるで姉妹のように仲がよかった。

 実際、独りっ子の紗耶香は昌代のことを「お姉ちゃん」と呼んでいた。


「……死んだ?」


 その言葉の意味が理解できないまま、頭の中は真っ白になる。

 さっきまで聞こえていたテレビが言葉を無くし、さっきまでついていた電気が消える。


 ただの20畳の空間に、1人でポツンと座り込んでいる感覚。


 死んだって、どういう意味だっけ…?