今日の放課後も、私は図書室から紳君が来るのを待っていた。

勉強道具は全て鞄に仕舞ってあり、いつでもダッシュ出来る態勢になっている。

でも、そんなに焦る必要はない、という事に最近気付いた。

息抜きのために読んでた詩集を、間違って参考書と一緒に鞄に入れてしまった事があって、図書室を出る時それに気付き、詩集を本棚に戻すという痛いロスをした事があった。

それにも拘わらず、私が中庭へ飛び出すと、そこにまだ紳君がいて、小林君と何か話をしていた。

よくは分からないけど、紳君は友達と話したりして、中庭でゆっくりするみたい。