それからお母さんは、毎日のようにお父さんに怒鳴られていた。 さすがに悪いと思って家には帰るようになったけど、もうすでに何もかも滅茶苦茶になっていた。 けして元に戻ることはない、ぐちゃぐちゃで、暗く重い家。 そうしたのは、誰? ふとそう考えると、すべての発端は、自分ではなく海結だと思った。 海結さえいなければ。 海結さえいなければ、よかったのに。 あたしの家がこんな風になることはなかったのに……。