◇天国まであと十六段





麗子たちを避けてわざわざ三階の一年生用のトイレに行くと、入っていきなり腕をつかまれた。



「みーゆっ」
 



声だけで誰かわかった。
腕から目線をあげる。




「――れい、こ……っ」
 



なんで? 
どうしてここにいるの?