私は、何かされていないか確かめてから自分の席に着いた。 これが毎日の日課だと思うと少し悲しくなる。 けれど、これをしないわけにはいかない。 何かしら必ず仕掛けがされてあるのだ。 麗子たちも飽きないものだ。 今日は、真っ黒に汚れた雑巾が机の中に詰め込まれている。指でつまんでみると、少し湿っている。異様な臭いもする。 「ねえ、英子ぉ。何だか臭わない?」 ガキか。くだらない。 今ならそう思えるが、ちょっと前の私には到底耐えられないものだった。