「由梨? 何ボーっとしてんだよ」 綾瀬涼が片手を差し出す。 「ほら、行くぞ?」 「う・・・うん」 綾瀬涼に手を引かれて、ロビーを歩く。 嫌味のない。 すっきりとした豪華さが漂う調度品を眺め。 はぅ~。 口からも豪華な空気を吸い込んで、満喫!! うっとり、ふらふら歩くあたしに。 「そうそう、今日の夜はここに泊まるから」 綾瀬涼が涼しい微笑みを口元に浮かべ。 『た・の・し・み・だ・な・?』 口だけをパクパク動かす。