「あーあ。 撃沈?」 意地悪な声が近づき。 「じゃあ、しょうがないね。 玲の部屋に泊まれば?」 玲ちゃんの温かい手で、手首をつかまれる。 「部屋。 もう、空いてないって。 それに、この雨。 帰ろうとしない方がいいんじゃない?」 「いいよ。 それでも帰るよ。 放して」 玲ちゃんの手を振り払おうとして。 「そんなことしても無駄だと思うけど?」 玲ちゃんの不敵な笑みにぶつかる。