少しの間、無言の時間が流れる。 一分くらいお互い何も言わずにいて、ふと視線を感じて隣をみると真島と目があった。 「…俺はさ? 依知菜のこと。 依知菜に他に好きな奴がいるって言うから諦めようとした」 「…うん」 「もし依知菜が俺を好きだったら、俺は絶対絶対依知菜を諦めたりしねぇ」 「……」 笑顔を浮かべる真島を、そのままじっと見つめた。 「確かに、さ? 矢田の言う通り、好きだけじゃダメなこともあんのかもしれない。 でも、」