とっさに隠れちゃったけど…


あたしってば何、隠れてんだろう。



普通に…


普通に職員室に行けば良かったのに。



いつまでも、こんな意識してちゃダメなのに…。


…よし。


普通に出ていこう…。




「…あ。利揮」



――瞬間。


聞こえてきた声に、あたしは我にかえる。



「おー。梨音」

「どーしたの?」

「部室の鍵」



利揮と梨音ちゃんの話し声が聞こえる。








――あたし、何やってんだろう。



こんな風に隠れて、

二人の話聞いて。




普通に話しかけよう、とかバカみたいなこと考えて。