短編■ 偉大に冒涜


友人の幸せを祝う為に、
冠婚葬祭の本を読むという発想はなかったのだろうか。

最近は手頃にインターネットで調べられるではないか。

―――ひと手間の優しさがない。



更に芳江を悲しくさせたのが、

彼女たちの服装から見える無神経さが及ぼす影響である。

常識外れな格好をした彼女たちに、

姉の会社の人や、新郎側の親戚一同は引いていたのだ。


「非常識なお友達なのね」


そう、小姑のような審査をされ、姉の評判はがた落ちしたのだ。

――類は友を呼ぶとばかりに。


友人たちは不適切な格好をして、間接的に姉を侮辱したのだ。

《…お姉ちゃんが可哀相だよ》