友人の幸せを祝う為に、
冠婚葬祭の本を読むという発想はなかったのだろうか。
最近は手頃にインターネットで調べられるではないか。
―――ひと手間の優しさがない。
更に芳江を悲しくさせたのが、
彼女たちの服装から見える無神経さが及ぼす影響である。
常識外れな格好をした彼女たちに、
姉の会社の人や、新郎側の親戚一同は引いていたのだ。
「非常識なお友達なのね」
そう、小姑のような審査をされ、姉の評判はがた落ちしたのだ。
――類は友を呼ぶとばかりに。
友人たちは不適切な格好をして、間接的に姉を侮辱したのだ。
《…お姉ちゃんが可哀相だよ》



