あの雨の日、きみの想いに涙した。







――キーンコーンカーンコーン。

朝から災難続きだった学校をなんとか終えた。


なぜか俺が校長室に呼ばれたことはかなりの噂になっていて、たった1日でほとんどの生徒に知られてしまった。

噂は人から人へと伝わりバイトを辞めさせられただけなのに、なぜか女問題で呼び出されたことになっていたり、最終的には〝この学校の全員の女とヤったから謹慎〟とバカげた噂へと変貌していた。


竹田はどこまで信じているかわからないけど1日中「お前すげーな」と引くどころか羨望の眼差しで俺のことを見ていた。

もうどうでもいい。

そんな噂よりも自分の中に芽生えた小さな違和感のほうが気になって仕方がない。


「あー!!」

帰りのホームルームが終わって放課後。突然竹田が耳がおかしくなるほどの大声をあげた。

竹田の目線の先は窓から見える校門。帰宅してるうちの生徒とは違う制服を着た数人の女子が門の前に立っているのが見えた。

俺たちの教室は三階だから、よくこうして外が見渡せる。俺はあまり目がよくないから、だれかが立っているのは見えても、だれが立っているかは見えない。


「やべー!あれ南女子校の制服だよ!ってあれ長崎かも」

竹田は窓から身を乗り出す体勢で確認していた。