あの雨の日、きみの想いに涙した。



はあ……。俺はバタンとあお向けに寝転んだ。

やっぱり今日は清々しいほど快晴で好きな天気のはずなのに、心は霧がかかったように真っ白。


またバイトを探さなきゃ……。

けっこう長続きしてたのに、こんな形で辞めるなんて本当に最悪だ。

学校なんてマジで辞めてやろうかな。

でも辞めたあと、どうする?


生活のためだけに働いて、学もないから任される仕事なんて限られる。金のためだけに働いてそのさきは?

俺にはなにもない。本当になにも。


そんなことを思いながら、ただ流れていく雲だけを見つめていた。


「由希、見っけ」

と、その時、突然俺の視界が影になった。女は俺の頭上から顔を覗きこんでる形で、青空は遮られている。

寝ている俺の横に移動してきた女のスカートからはパンツが丸見えで、俺は目線を空に戻してため息をつく。


「ここに来れば由希に会えると思って。もしかして佳奈ってエスパー?」

このバカさ加減はたぶん二年の女だ。

俺がどんな状況で、どれだけ気分が沈んでるか知らない女はテンションが高くて、余計に苛立ちが募った。