あの雨の日、きみの想いに涙した。




俺と同じ理由で合コンに参加させられた……ってわけでもなさそうだし、こうやって中途半端に空気が読めないと逆にノリノリのギャル女のほうがこの場はよく見える。

たぶんこういう空間では竹田みたいなタイプがモテんだと思う。

いつの間にかみんなのことを仕切っているし、盛り上げるのも絶妙にうまい。


俺が帰ってもぜんぜん影響しないし、むしろ帰ったほうがいい気がする。


「竹田、俺帰るわ」

耳元でマラカスをアホみたいに振る竹田に言った。


「え、なんで?」

「なんでじゃねーよ。もう必要ないだろ」

「ダメダメ!絶対に帰るな」

「は?」

女が大声でバラードを歌ってる中、俺たちはコソコソと喋っていた。

「冴木が帰ったらあの子が余計に浮くだろうが」

「あの子……?」

「なっちゃんだよ!合コンのノリについていけない同士仲よくやれよ」


そんなことを言われても知らねーし、ノリに付いていけないなら来なきゃいいんだよ。

付き合いきれないと竹田の言葉を無視して帰ろうとするとポケットの中でまた着信が。