あの雨の日、きみの想いに涙した。




ひとりになった教室で再び席に座り、卒業アルバムのページをめくった。

校舎そして教員たちの写真が続きクラスの個人写真のページになった。


俺は2組のページを開き、自分の写真を見た。
不機嫌そうに撮られた写真を見て、一生残ってしまう事実に今さら肩を落とす。俺以外の生徒はみんな笑っていて中学生活の楽しさが顔ににじみ出ていた。

そんな中、ある人物の写真に目線が止まった。


笑顔が溢れる個人写真の中で俺と同じで笑っていない顔。

黒髪にメガネをかけて、きっちりと制服を着ているひとりの女子生徒。それを見た瞬間、眠っていた記憶の糸が繋がっていく音がした。

その女子生徒の名前は〝宮野麻奈〟


今の姿とはかけ離れた容姿にだれがが見ても同一人物だとは思えないけど、たしかにその女子生徒の名前は宮野麻奈で、同じクラスの個人写真に映っていた。


人の顔も人の名前も覚えない俺だけど、宮野麻奈のその姿には見覚えがある。

たぶんバカ女しかいなかったクラスの中である意味浮いた存在だったから。俺と同じでいつもひとりで教室の隅にいた生徒。それが宮野麻奈だった。