――ガラッ。

教室のドアを開けると数人のクラスメイトが冷ややかな目をしていた。たぶんさっきの出来事を見ていたんだろう。

はあ……うざ。

俺はギロリと睨みつけて勢いよく席に着く。それと同時に近づいてきたテンションが高い声。


「おはよう冴木!」

こいつの名前は竹田湊(たけだみなと)

同じクラスで部活一筋の野球バカ。入学式で前後の席になった時からなぜかよく話しかけてくる。

みんな俺を違った目で見るのに竹田だけはなにかが違うような気がするけど、野球しかしてこなかったみたいだから
ただ単になにも考えてないのかもしれない。


「なあ、お前明日暇?」

竹田は俺の前の席に座って机に頬杖をついた。

明日……は土曜日か。まあ、バイトは休みだけど。


「なんで?」

すると竹田はニヤニヤと嬉しそうに言う。

「合コン行こーぜ」

「ご、合コン……?」