あの雨の日、きみの想いに涙した。




香月駅に着いた俺は改札を抜けた。定期をふっと確認すると期限が今日の日付だと気づいた。

更新は明日の朝でもいいかと考えたけど、混雑の中で並びたくはない。財布の中を見ると丁度更新分のお金があった。

忘れてたけど定期代もバカにならないんだよな……。そろそろマジでバイト探さなきゃ……。


そんなことを思いながら俺は更新する際に必要な紙を取りペンで記入した。とその時、トントンと俺の肩を叩く人物がひとり。振り返るとそこには青木が立っていた。


「また会ったね」

ニコリと笑う青木を見て少しだけ挙動不審になりかけてしまった。

青木に会えて嬉しいような、今は会いたくなかったようなそんな気分。


青木を疑う気持ちなんて1%もないけど俺も人間だから……常に平常心ではいられない時だってある。俺は再びペンを走らせて紙の記入を続けた。すると……。


「ちょ、ちょ……ちょっと待って!」

青木は急に慌てた声をだす。

「え?なに?」

青木は俺の手元にある紙を食い入るように見つめていた。